自賠責保険の完全ガイド|補償内容と限度額・2026年11月値上げ後の保険料・更新時期・未加入の罰則を国交省の公式情報で解説

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自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、原付や電動キックボードを含むすべての自動車に加入が義務付けられている保険です。「車検のときに一緒に払っているやつ」という認識の人が多いのですが、何が補償されて何が補償されないのか、未加入や証明書不携帯で何が起きるのか、2026年11月の値上げでいくらになるのかを正確に知っている人は意外と少ないです。

この記事では、国土交通省の自賠責保険ポータルと損害保険料率算出機構の届出資料にもとづいて、補償内容と限度額、保険料(改定前後)、契約期間の選び方、加入・更新・解約の手続き、罰則、無保険車にはねられたときの救済制度までを整理しました。当サイトを運営する株式会社Autodesign Cougar(神奈川県厚木市)はトラックの架装修理・整備から始まった会社です。車検や仮ナンバーの実務で自賠責に関わる立場から、実際に起きやすいトラブルも解説します。

自賠責保険の完全ガイド|料金・補償内容・更新時期を解説【2026年】
目次

結論|自賠責保険の要点

項目内容
加入義務すべての自動車(原付・電動キックボード・モペット含む)。未加入では運転できない
補償の範囲人身事故の対人賠償のみ。物損・自分のケガ・自分の車は対象外
支払限度額(被害者1人あたり)傷害120万円 / 死亡3,000万円 / 後遺障害75万〜4,000万円(等級による)
保険料(自家用乗用車24ヶ月)17,650円 → 2026年11月1日以降の契約は18,560円
保険料(軽自動車24ヶ月)17,540円 → 2026年11月1日以降は18,660円
更新時期車検と同時が一般的。継続検査では25ヶ月契約が多い
未加入の罰則1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金+違反点数6点(免許停止)
証明書不携帯30万円以下の罰金

自賠責保険とは|「被害者救済のための最低限の対人保険」

国土交通省のポータルサイトでは、自賠責保険を「交通事故を起こした人(加害者)から被害者への損害賠償の補填をはじめ、寝たきりや車椅子利用など、日常生活動作において介護が必要な方の介護料の支援」などを行う制度と説明しています。自動車損害賠償保障法にもとづく強制保険で、保険料は損害保険会社の利益を含まない「ノーロス・ノープロフィット原則」で決められています。どの保険会社・代理店で入っても保険料は同じです。

重要なのは補償の範囲が「人身事故の対人賠償」に限られることです。国土交通省は「物損事故は補償の対象にはなりません」と明記しており、相手の車や壁を壊した損害、自分自身のケガ、自分の車の修理費はいずれも自賠責からは支払われません。この部分をカバーするのが任意保険で、両者は「土台と上乗せ」の関係にあります。任意保険の選び方は自動車保険おすすめ比較を参照してください。

補償内容と支払限度額

損害の区分支払限度額(被害者1人につき)主な内容
傷害120万円治療費、休業損害、慰謝料など
後遺障害75万円〜4,000万円等級(第1〜14級)に応じて。常時介護を要する第1級は4,000万円、随時介護を要する第2級は3,000万円
死亡3,000万円葬儀費、逸失利益、慰謝料など

限度額は「被害者1人あたり」なので、複数の被害者がいればそれぞれに適用されます。一方で、死亡事故の賠償額が数千万〜億単位になることは珍しくなく、3,000万円を超える部分は加害者の自己負担(または任意保険)です。自賠責だけで運転するのは、実質的に無保険に近いリスクだと理解してください。

また、自賠責は被害者救済を優先する制度のため、被害者側に重大な過失がない限り、過失割合による減額が行われにくい(重過失減額は一定以上の過失がある場合のみ)という特徴があります。被害者は加害者の保険会社に直接請求すること(被害者請求)もできます。

保険料|2026年11月1日から値上げ

損害保険料率算出機構が2026年4月30日に金融庁へ届け出た基準料率の改定により、2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約から平均6.2%の引き上げとなります(離島・沖縄県を除く地域)。2013年以来の値上げで、理由は過去の滞留資金の費消と物価・賃金上昇による事務コストの増加とされています。

車種・保険期間改定前(2026年10月31日まで)改定後(2026年11月1日〜)
自家用乗用車 24ヶ月17,650円18,560円(+910円)
自家用乗用車 25ヶ月18,160円19,070円
自家用乗用車 36ヶ月23,690円24,690円
軽自動車 24ヶ月17,540円18,660円(+1,120円)
軽自動車 25ヶ月18,040円19,170円
軽自動車 36ヶ月23,520円24,830円

2026年10月中に車検を受ける人は改定前の料率で25ヶ月契約ができるので、車検時期が10〜11月にまたがる場合は少しだけ得です。ただし数百円〜千円強の差なので、無理に前倒しする必要はありません。

契約期間の選び方|なぜ「25ヶ月」なのか

自家用乗用車の自賠責は1ヶ月〜37ヶ月の範囲で契約でき、実務では新車時は37ヶ月(初回車検が3年のため)、継続車検では25ヶ月が一般的です。車検の有効期間は24ヶ月なのに25ヶ月で入るのは、車検満了日と保険満了日にずれが生じたときに、保険切れの状態を作らないためです。車検を受けるには「更新後の車検有効期間を満たす自賠責」が必要なので、24ヶ月ぴったりだと車検日によっては1日足りず受検できないことがあります。

仮ナンバー(臨時運行許可)で車検切れの車を検査場へ運ぶ場合は、5日間などの短期契約も可能です。ただし短期契約は割高なので、車検を受けるなら最初から25ヶ月で加入し、その証明書で仮ナンバーを申請する方が合理的です(仮ナンバーの取り方)。

加入・更新・解約の手続き

加入・更新

損害保険会社、その代理店(ディーラー・整備工場・カー用品店・保険代理店)、共済(JA共済など)で加入できます。車検を業者に依頼する場合は、車検費用と一緒に更新され、証明書は新しい車検証と一緒に返ってきます。ユーザー車検では自分で更新しておく必要があるので、検査場周辺の代書屋や代理店で当日加入するか、事前に済ませておきます(ユーザー車検の流れ)。必要なものは車検証と現在の自賠責保険証明書です。

名義変更・車の売却時

自賠責は「車」に付く保険なので、売却・譲渡時は証明書を新所有者に渡し、保険会社で権利譲渡の手続きをします。運輸支局での名義変更では自賠責の名義は変わらないので、別途連絡が必要です(名義変更の流れ)。

解約(廃車時)

抹消登録(廃車)をした後、保険会社で解約すると残り期間分の返戻金を受け取れます。抹消を証明する書類(登録識別情報等通知書、一時抹消登録証明書など)が必要で、「廃車→解約」の順番でしか進みません。残り1ヶ月未満だと返戻はありません(廃車の手続きと戻ってくるお金)。

証明書の紛失

加入している保険会社に再発行を依頼します。証明書は運転時に携帯する義務があり(不携帯は30万円以下の罰金)、車検にも必要なので、車検証と一緒に車内で保管するのが基本です。

未加入・期限切れの罰則と実害

国土交通省のポータルによると、自賠責に未加入(期限切れを含む)で運行した場合、自動車損害賠償保障法により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、さらに道路交通法により違反点数6点で即座に免許停止となります。証明書を携帯していないだけでも30万円以下の罰金です。

罰則以上に重いのが、未加入で人身事故を起こした場合、本来自賠責から支払われる賠償(死亡なら最高3,000万円)がすべて自己負担になることです。被害者は後述の政府保障事業から補償を受けられますが、国はその分を加害者に求償し、支払わなければ損害賠償請求訴訟を提起して自動車・不動産・給与が差し押さえられる可能性があると国土交通省は説明しています。

実務でよくあるのが、車検切れに気づかず自賠責も一緒に切れていたケースです。車検が切れると車検証・自賠責・任意保険の連鎖で無保険になります。車検の有効期限は車検証とフロントガラスのステッカーで必ず確認してください(車検切れの車の対処法)。

無保険車・ひき逃げにはねられたら|政府保障事業

加害者が自賠責に入っていなかった、またはひき逃げで加害者が分からない場合、被害者は政府保障事業により自賠責と同じ基準(傷害120万円、後遺障害75万〜4,000万円、死亡3,000万円)で損害の補てんを受けられます。請求は損害保険会社(共済組合)の窓口に直接行い(代理店では受け付けない)、請求期限は傷害が事故から3年、後遺障害が症状固定から3年、死亡が死亡から3年です。健康保険や労災など他の制度から受けた給付は差し引かれます。

よくある質問

Q1. 自賠責保険だけで任意保険に入らなくても大丈夫ですか?

法律上は運転できますが、対物賠償・自分のケガ・自分の車がまったく補償されず、対人も3,000万円が上限です。死亡事故の賠償が億単位になる例もあるため、対人・対物無制限の任意保険はほぼ必須と考えてください。

Q2. どこで加入しても保険料は同じですか?

同じです。自賠責の保険料は法律にもとづく基準料率で、保険会社や代理店による差はありません(離島・沖縄県は別料率)。違いが出るのは契約期間と契約開始日だけです。

Q3. 原付や電動キックボードにも必要ですか?

必要です。国土交通省は原動機付自転車・電動キックボード・モペットを含むすべての自動車が対象と明記しています。コンビニやネットで加入でき、ステッカー(保険標章)をナンバープレートに貼ります。

Q4. 事故の相手が自賠責しか入っていませんでした。どうすればいいですか?

ケガの治療費などは相手の自賠責に被害者請求できます(限度120万円)。それを超える分や物損は相手本人への請求になるため、自分の任意保険の人身傷害保険・無保険車傷害特約・車両保険を使うのが現実的です。

Q5. 自賠責の保険料に消費税はかかりますか?

かかりません。自賠責保険料は非課税です。車検費用の内訳で「法定費用」としてまとめられている部分(自賠責・重量税・検査手数料)には消費税が含まれていません。

まとめ|自賠責は「対人のみ・上限あり」の土台

  • すべての自動車に加入義務。補償は人身事故の対人賠償のみで、傷害120万円・死亡3,000万円・後遺障害最高4,000万円が上限
  • 保険料は2026年11月1日から値上げ(自家用乗用24ヶ月17,650円→18,560円、軽17,540円→18,660円)。どこで入っても同額
  • 継続車検は25ヶ月契約が基本。車検切れは自賠責切れに直結する
  • 未加入運転は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金+6点で免停、不携帯は30万円以下の罰金
  • 無保険車・ひき逃げの被害は政府保障事業で救済(請求期限3年)

本記事の補償内容・罰則・政府保障事業は2026年9月時点の国土交通省 自賠責保険・共済ポータルサイト、保険料は損害保険料率算出機構の基準料率届出資料にもとづいています。制度・料率は改定されるため、契約時に最新の公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

新車・中古車を問わず何台も乗り継いできた根っからの車好き。カーリースや自動車ローンの仕組み、LEDヘッドライトなどのカスタムパーツまで、実際に自分で使って感じたことを正直にお伝えすることを心がけています。「気になったら自分で試す」がモットーで、紹介する製品はできる限り自分自身で使用・検証したうえで記事を書いています。

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