タイヤチェーンの選び方|スタッドレスでも必要?種類・サイズ・付け方を公式情報で解説【2026年】

タイヤチェーンの選び方

⛓️ チェーン規制の区間は、スタッドレスタイヤでもチェーンがないと通れません

選ぶときは「タイヤサイズ」「駆動輪」「事前の装着練習」の3つが大切です(国土交通省・NEXCO)

「スタッドレスを履いているからチェーンはいらない?」「金属と非金属、布製のどれを買えばいい?」——冬のドライブ前によくある疑問です。結論から言うと、チェーン規制の区間はスタッドレスタイヤでもチェーンがないと通れません(国土交通省)。選ぶときは、タイヤサイズに合うこと、駆動輪に付けること、事前に付ける練習をしておくことの3つが大切です。

この記事では、国土交通省・NEXCO・JAFのテスト結果・チェーンメーカーの公式情報をもとに、タイヤチェーンの種類と選び方、サイズの確認方法、付け方の注意点をまとめました(2026年9月28日確認)。当サイトを運営する株式会社Autodesign Cougar(神奈川県厚木市)は車両の整備にも関わっていて、冬のタイヤについてのご相談もよく受けます。

タイヤチェーンの選び方の記事でわかること
目次

チェーン規制とは|スタッドレスでもチェーンが必要

国土交通省によると、チェーン規制は「大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるとき」に行われます。対象は、急な坂がある峠など、過去に雪で立ち往生や通行止めが起きた区間です。規制区間の手前ではチェーンを付けているかが確認されます。

  • 「スタッドレスタイヤを着けていても、タイヤチェーンをしていない自動車はチェーン規制中に通ることはできません。」(国土交通省)
  • 4WD(四輪駆動)の車も同じで、チェーンがないと通れません。
  • スプレーを吹き付けるタイプの滑り止めでは、チェーン規制中に通れません。

国土交通省のページには、チェーン規制の対象として国道6区間・高速道路7区間の計13区間が載っています。

道路区間
国道国道112号 月山道路、国道138号 山中湖・須走、国道7号 大須戸〜上大鳥、国道8号 石川県境〜坂井市、国道54号 赤名峠、国道56号 鳥坂峠
高速道路上信越道 信濃町IC〜新井PA(上り)、中央道 須玉IC〜長坂IC、中央道 飯田山本IC〜園原IC、北陸道 丸岡IC〜加賀IC、北陸道 木之本IC〜今庄IC、米子道 湯原IC〜江府IC、浜田道 大朝IC〜旭IC

※国土交通省「タイヤチェーンを取り付けましょう」の一覧より。区間は見直されることがあるため、出発前に道路管理者の最新情報を確認してください。

NEXCO中日本のFAQでも、同社が管理する高速道路でチェーン規制が行われる区間は、中央道の「飯田山本IC~園原IC」「須玉IC~長坂IC」、北陸道の「丸岡IC~加賀IC」「木之本IC~今庄IC」の4か所とされています。国土交通省のページには「平成29年度」の記述も残っているので、冬の前に最新の情報を確かめましょう。

規制区間以外でも、雪の多い道や凍った坂ではチェーンが役に立ちます。スタッドレスタイヤの準備がまだの方は、スタッドレスタイヤに履き替える時期やスタッドレスタイヤの選び方もあわせて確認してください。

タイヤチェーンの種類と特徴

タイヤチェーンの種類ごとの特徴
種類良いところ気をつけたいところ価格の例(税込)
金属チェーン駆動力が高く、収納がコンパクト。低価格なものが多い振動・騒音、使用後のサビ対策。雪のない道を走ると摩耗・切断しやすい9,980円〜(オートバックス通販の表示例)
非金属チェーン(ゴム・ウレタン)乾いた路面に強く、サビの心配が少ない。静かで乗り心地が良い金属より価格が高めの製品が多い(公式通販の価格例)19,800円〜/カーメイト クイックイージーは26,800円〜
布製カバー軽くてコンパクト、着脱しやすい耐久性が低い。チェーン規制に対応できない可能性がある(JAF)9,900円〜(オートバックス通販の表示例)

※特徴はJAF・カーメイト・オートバックスの公式情報より。価格は2026年9月時点の公式通販の表示で、サイズや時期で変わります。

布製カバーはチェーン規制で使える?

公式情報でも書き方が分かれています。国土交通省は「自動車用品店などで販売されているものであれば問題ありません」としたうえで、タイヤチェーンの種類の一つに「布製カバータイプ」を挙げています。一方、JAFは布製について「「チェーン規制時には現場係官の指示に従ってください」という注意書きがある通り、緊急時の脱出用という位置づけの製品」とし、デメリットに「規制に対応できない可能性があること」を挙げています。カーメイトも「タイヤチェーン規制時には通行できない場合があります」としています。

雪国へよく行く人や峠を越える予定がある人は、金属か非金属のチェーンを選ぶのが安心です。布製は「もしものときの脱出用」と考えておきましょう。

布製カバーについては、NEXCO東日本も令和元年12月の定例会見資料で、国土交通省と同じ3つの分類(布製カバータイプを含む)を紹介し、「路面からの脱出・応急的な移動を目的とした布製カバータイプタイヤチェーン」の販売を始めたことや、パトロールカーに大型車用の布製カバーを積む試行を説明していました。

種類ごとの耐久性の目安

種類メーカー公式の耐久性の目安
非金属(JASAA認定品)600km走行可能(カーメイト、時速50km以下)
非金属(カーメイト バイアスロン)1,000km走行可能(時速50km以下)
布製(AutoSock)乾いた路面では120km、雪道では数百kmの走行にも耐え得る。黒い布が見えたら交換
金属雪のない所を走ると摩耗し、切断しやすくなる(カーメイト)

価格の例(2026年9月時点・税込)

種類製品の例と表示価格
金属雪道楽 Classic 9,980円〜、雪道楽 DASH 12,800円〜、RUD グリップ 16,800円〜(今季終了)、RUD イージートップ 19,800円〜(今季終了)
非金属ソフト99 救急隊ネット 19,800円〜、カーメイト クイックイージー 26,800円〜、イエティ スノーネット 41,800円〜
布製KEIKA ネットギア デュラーレ 9,900円〜(今季終了)、SPARCO EVO 11,000円〜、AutoSock 14,800円〜(今季終了)、ISSE スノーソックス クラシック 14,883円〜

価格はオートバックス公式通販の特集ページの表示(いずれも最低価格)です。カーメイト公式ストアでは、バイアスロン クイックイージーのQE1・QE2が26,800円、QE3〜QE6が28,800円、195/65R15用のQE10・QE10Lが31,799円です。サイズが大きくなるほど高くなる傾向があるので、自分のタイヤサイズで価格を確認しましょう。

JAFのテストで見る、種類ごとの違い

JAFは、ノーマルタイヤ(夏タイヤ)に3種類のチェーンを付けて、圧雪路でテストしています(2019年2月、FFのコンパクトカー)。

チェーン40km/hからの急ブレーキ(平均)30km/hでのカーブ(R25m)勾配20%の上り坂
金属(亀甲型)25.9m後輪が滑ってスピン上りきれた
金属(はしご型)27.6m外側へふくらんだ途中でスリップ
非金属(ウレタン系)24.8m安定して走れた途中でスリップ

20km/hのカーブでは3種類とも安定していて、勾配15%の坂は3種類とも上れました。JAFは「路面状況や車の駆動方式、タイヤの種類などで結果が変わることがあるので十分注意が必要である」としています。どの種類でも、チェーンを付けたらスピードを落とすことが大前提です。

別のJAFテスト(2017年2月)では、40km/hからの急ブレーキで、氷の路面ではノーマルタイヤ+非金属チェーンが59.0mで止まりました。スタッドレスタイヤ(78.5m)やノーマルタイヤ(105.4m)より短い距離です。JAFは、布製やスプレーは「安定した性能を得ることが難しいので、あくまでも緊急用として使う」としています。

タイヤ・チェーン圧雪路氷盤路
ノーマルタイヤ29.9m105.4m
スタッドレスタイヤ17.3m78.5m
オールシーズンタイヤ22.7m101.1m
ノーマル+非金属チェーン28.4m59.0m
ノーマル+オートソック(布製)20.1m99.2m
ノーマル+スプレーチェーン24.1m112.8m

JAFのテスト(2017年2月、40km/hからの急ブレーキ、ABS作動)の結果です。圧雪路ではスタッドレスタイヤがいちばん短く止まり、氷の路面ではチェーンを付けた車がいちばん短い距離で止まりました。同じ時期の登坂テスト(勾配12%の圧雪路、坂の途中から発進)では、スタッドレス、非金属チェーン、オートソックは上れ、ノーマルタイヤ、オールシーズンタイヤ、スプレーは上れませんでした。

選び方①|タイヤサイズを確認する

チェーンはタイヤサイズに合ったものを選びます。サイズはタイヤの側面に「195/65R15」のように書かれています(195=幅、65=扁平率、R=ラジアル、15=ホイールの径)。カーメイトは「195R15と195/65R15は別のサイズです」「「SR」「HR」「VR」「LT」「PR」等の表示マークはタイヤサイズには関係ありません」と注意しています。

  • 同じサイズでも合わないことがある:タイヤの銘柄・すり減り具合・空気圧・ホイールのリム幅によって、きつかったりゆるかったりする場合があります(カーメイト)。スタッドレスタイヤ用と夏タイヤ用で品番が分かれている製品もあります。
  • タイヤまわりのすき間:カーメイトはフェンダーまわりに3cm以上、タイヤの裏側に2cm以上のすき間を目安にしています。前輪はハンドルをいっぱいに切った状態でも確認します。
  • 車種で検索する:カーメイトやイエティ(Weds)の公式サイトには、車種から適合するチェーンを調べられるページがあります。

たとえばカーメイトの適合表では、195/65R15のタイヤの場合、クイックイージーは普通タイヤ・オールシーズンタイヤならQE10、スタッドレスタイヤならQE10Lです。同じサイズでも、履いているタイヤの種類で品番が変わることがあります。

選び方②|駆動輪に付ける

国土交通省は「駆動輪にタイヤチェーンを着けることが基本です」としています。NEXCO西日本は「FF車は前輪 FR車は後輪 に装着してください」とし、4WDは車の構造によって付ける位置が違うので取扱説明書で確認するよう案内しています。左右1本ずつ、必ず2本ペアで付けます(オートバックス)。

JAFのテスト(2018年、FF車)では、駆動輪ではない後輪に付けると勾配12%の坂を上りきれず、40km/hからの制動距離は駆動輪に付けた場合(28.0m)より約7m長い35.3mになりました。

カーメイトは、4輪駆動車(AWD・4WDなど)では指定された装着輪以外には付けられない場合もあるとしています。また、1BOX車で4輪とも普通タイヤの場合は、4輪に装着が必要としています。

付け方と走り方の注意点

タイヤチェーンの付け方と走り方の手順
  1. 家で一度付けてみる:NEXCO西日本は「説明書に従い、事前に装着のリハーサルをしておきましょう」としています。寒い雪の中で初めて付けるのはとても大変です。
  2. 安全な場所で付ける:高速道路では「本線上での装着は大変危険です」(NEXCO西日本)。SA・PAやチェーン着脱場など、平らで安全な場所で作業し、交通量が多ければ三角表示板を置きます(オートバックス)。
  3. 少し走ったら締め直す:SCC Japanは「チェーン装着後、10~30m走行後に必ず増し締めしてください」としています。
  4. スピードは製品の上限以下で:多くの製品は50km/h以下ですが、30km/h以下の製品もあります(SCC Japan)。オートバックスのコラムは金属チェーンの目安を時速30kmとしています。必ず製品の説明書を確認してください。
  5. 雪のない道が続いたら外す:金属チェーンは乾いた路面で摩耗・切断しやすくなります(カーメイト)。長いトンネルなどでは、チェーンを外して走る区間もあります(NEXCO西日本)。

イエローハットは、最低限用意しておきたい道具として手袋を挙げ、夜間は懐中電灯やヘッドライトもすすめています。チェーンと一緒に車に積んでおきましょう。

情報源チェーン装着時の速度の目安
カーメイト(バイアスロン)雪路・非雪路にかかわらず時速50km以下で「安全にコントロールできる速度」
日産(AutoSock FAQ)必ず50km/h以下
SCC Japan多くの製品は50km/h以下。カムロック式の一部は30km/h以下
オートバックス(コラム)金属 時速30km/非金属 時速50km/布製 時速40〜50km
イエローハット(コラム)金属 30km/h以下/非金属 50km/h以下

△ チェーンを付けるときにやってはいけないこと

  • 高速道路の本線上で付ける(NEXCO西日本は「大変危険」としている)
  • サイズの合わないチェーンを使う
  • 駆動輪ではないタイヤに付ける、片側だけ付ける
  • 付けたまま増し締めをしない(SCC Japanは10〜30m走行後の増し締めを求めている)
  • 雪のない乾いた道を金属チェーンで走り続ける

◎ 冬が来る前にやっておくこと

  • タイヤ側面のサイズを確認し、適合するチェーンを買う
  • 家で一度、装着の練習をしておく
  • 手袋・懐中電灯と一緒に車に積む
  • ホイールキャップが付いている車は、外し方を確認しておく(カーメイト)
  • スタッドレスの準備もあわせて進める

よくある質問

Q1. スタッドレスタイヤならチェーンはいりませんか?

チェーン規制の区間では、スタッドレスタイヤでもチェーンがないと通れません(国土交通省)。規制区間を通る予定があるなら、スタッドレスタイヤでもチェーンを積んでおきましょう。

Q2. 4WDでもチェーンは必要ですか?

必要です。国土交通省は、4WDでもチェーン規制中はタイヤチェーンを着けていないと通れないとしています。どのタイヤに付けるかは車によって違うので、取扱説明書で確認してください。

Q3. 金属と非金属、どちらがおすすめですか?

価格と収納のしやすさなら金属、乾いた路面も走る・静かさや乗り心地を重視するなら非金属です。JAFのテストでは、急な坂は金属(亀甲型)、カーブの安定性は非金属が良い結果でした。使う場面で選びましょう。

Q4. 布製カバーでもチェーン規制を通れますか?

国土交通省はタイヤチェーンの種類の一つに布製カバーを挙げていますが、JAFやカーメイトは規制時に通れない可能性があるとしています。現場の係員の指示に従う必要があるので、確実に通りたいなら金属か非金属のチェーンが安心です。

Q5. チェーンを付けたら何km/hまで出せますか?

製品によって違います。多くは50km/h以下ですが、30km/h以下の製品もあります。説明書の上限を守り、雪道では「急」の付く運転を避けてください。

Q6. 布製カバーはどのくらい使えますか?

AutoSockの公式情報では、乾いた路面での寿命は120km、雪道では数百kmの走行にも耐え得るとしています。黒い布が見えてきたら交換の目安です。JAFは布製を「緊急用」と位置づけているので、長い距離を走る予定があるなら金属か非金属のチェーンを選びましょう。

Q7. 非金属チェーンは何km走れますか?

カーメイトによると、JASAA認定品は600km、バイアスロンは1,000kmの走行が可能です(いずれも時速50km以下)。雪のない道が続くときは外しましょう。

まとめ|サイズを確認して、冬が来る前に一度付けてみる

  • チェーン規制の区間は、スタッドレスタイヤや4WDでもチェーンが必要。スプレーは不可。
  • 確実に規制を通るなら金属か非金属。布製は緊急用と考える。
  • タイヤ側面のサイズで選び、車種別の適合表で確認する。駆動輪に2本ペアで付ける。
  • 家で装着の練習をして、手袋と一緒に車に積んでおく。

※2026年9月28日時点の情報にもとづきます。出典:国土交通省「タイヤチェーンを取り付けましょう」、NEXCO東日本・中日本・西日本、JAF(ユーザーテスト・クルマ何でも質問箱)、カーメイト、SCC Japan、Weds(イエティ)、オートバックス、イエローハットの公式サイト。製品ごとに適合や速度の上限が違うため、必ず製品の説明書と車の取扱説明書を確認してください。

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この記事を書いた人

新車・中古車を問わず何台も乗り継いできた根っからの車好き。カーリースや自動車ローンの仕組み、LEDヘッドライトなどのカスタムパーツまで、実際に自分で使って感じたことを正直にお伝えすることを心がけています。「気になったら自分で試す」がモットーで、紹介する製品はできる限り自分自身で使用・検証したうえで記事を書いています。

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