延滞や債務整理の記録が信用情報に残っていて、いわゆる「ブラック」の状態になると、銀行や信販会社の自動車ローンにはなかなか通りません。それでも車が必要なときに取れる方法は、実はいくつかあります。ただし、どの方法にも条件と注意点があり、「ブラックでも必ず買える」「審査なし」という方法はありません。
この記事では、信用情報機関(CIC)や各社の公式サイト、法令の記載をもとに、ブラックの状態で車を手に入れる現実的な方法と、それぞれの注意点を整理しました(2026年9月確認)。
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まず確認|「ブラック」とは信用情報に事故の記録がある状態
「ブラックリスト」という名簿があるわけではありません。信用情報機関に、延滞(異動)や債務整理などの記録が登録されている状態を、俗にそう呼んでいます。自分の記録がどうなっているかは、本人が開示して確認できます。CICならインターネットで開示でき、手数料は500円です。
記録がいつまで残るかは、機関ごとに決まっています。CICの公式FAQでは、次のように説明されています。
- クレジット情報の保有期間は、契約中および契約終了から5年間。
- 自己破産の場合は、免責許可決定が確認できた会員会社によるコメントが登録された報告日が起算点。
- 会員会社が照会した事実を表す「利用記録」は、利用日から6か月間保有。
JICC(日本信用情報機構)とKSC(全国銀行個人信用情報センター)にも、それぞれの登録期間があります。開示の手順は自動車ローン審査に通るコツ(信用情報の確認方法)で解説しています。
ブラックでも車を手に入れる5つの方法
| 方法 | 審査 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| ①現金で買う | なし | まとまった資金が必要。安すぎる車は整備状態を確認 |
| ②自社ローン(販売店の分割払い) | 販売店が独自の基準で審査 | 手数料・保証人・頭金・GPSなどの条件。完済まで所有権は店に残る |
| ③カーリース | リース会社・信販会社が審査 | 信用情報に事故の記録があると通りにくい。中途解約は原則不可の会社が多い |
| ④家族が契約者になる | 家族本人の審査 | 契約者は家族。支払い義務も家族が負う。名義を借りて自分が使う形にはリスクがある |
| ⑤記録が消えるのを待つ | 通常のローン審査 | CICでは契約終了から5年。それまでは公共交通やカーシェアなどでつなぐ |
①現金で買う
審査がないのは現金一括だけです。予算が少ない場合は、軽自動車や年式の古い中古車が候補になります。安い車は、整備記録や車検の残り、保証の有無をよく確認しましょう。中古車の購入トラブル(キャンセル料や品質)は、国民生活センターにも多くの相談が寄せられています。
②自社ローン(販売店による分割払い)
自社ローンは、販売店が車を売り、代金を分割で受け取る割賦販売です。信販会社を通さないため、販売店が独自の基準で審査します。たとえばげんき自動車(青森県)は、公式サイトで「既存の信用情報にとらわれない弊社独自の基準で審査を行いますので…過去に債務整理や自己破産をした方…でもローンを通せる可能性があります」と書いています。頭金・保証金・連帯保証人は不要です。
注意したいのは次の点です。
- 「信用情報を一切見ない」とは限らない:割賦販売法第38条は、割賦販売業者に、信用情報を利用するなどして支払能力を超える販売をしないよう努めることを求めています。げんき自動車の仮審査の同意条項にも、個人信用情報機関に個人データを提供することがあると書かれています。
- 金利の代わりに手数料がかかる店がある:「実質年率0%」とうたいながら、分割事務手数料や利用料が別にかかる店もあります。現金価格と支払総額の差で比べましょう。
- 完済までは車が自分のものにならない:割賦販売法第7条では、支払いが終わるまで所有権は販売店に留保されると推定されます。
ほかの取扱店の条件(手数料・保証人・GPSなど)は、自社ローンのおすすめ取扱店を比較した記事で詳しく比べています。
③カーリース
カーリースも、リース会社や信販会社の審査があります。リースナブルは自社のコラムで「信用情報に金融事故の履歴が残っている場合は、ほぼ審査に通りません」と書いています。ニコノリには、車両へのGPS端末の設置などを条件とした独自のプランがありますが、公式に「完全に審査がないカーリースは存在しません」とも書かれています。各社の審査と中途解約の条件は、審査が不安な人向けのカーリース5社比較とブラック・自己破産後でも契約できるカーリースはある?で解説しています。
④家族が契約者になる
家族が自分の名前でローンやリースを契約し、家族の車として使う方法です。この場合、審査を受けるのも、支払いの義務を負うのも家族です。自分が支払えなくなれば、家族の信用情報に延滞の記録が残ります。また、実際には自分が使う車のために名義だけを借りる形は、契約内容によっては規約違反になるおそれがあります。家族とよく話し合い、契約の内容を確認したうえで判断してください。
⑤記録が消えるのを待つ
CICでは、クレジット情報は契約終了から5年で消えます。消えたあとは、通常のローンの審査を受けられるようになります。急ぎでなければ、それまでは公共交通やカーシェア、レンタカーでつなぎ、記録が消えてから銀行のマイカーローンなどを検討する方法もあります。銀行ローンと現金の比較は車購入はローンと現金どっちが得?で解説しています。
「審査なし」「誰でも買える」をうたう広告の注意点
- 条件を必ず書面で確認する:割賦販売法第3条では、販売店に現金販売価格・割賦販売価格・支払期間と回数・手数料の料率の表示を義務づけています。これらを示さない店は避けましょう。
- 保証人・頭金・GPSの条件を確認する:「審査なし」をうたっていても、保証人を2名求める店もあります。
- 店の実在と営業状況を確認する:以前は自社ローン店として紹介されていた店が、破産を申請していた例もあります。
- 困ったら相談する:契約のトラブルは、消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センター)に相談できます。
よくある質問
Q1. 自己破産してもローンで車を買えますか?
記録が残っている間は、銀行や信販会社のローンは難しくなります。CICでは、自己破産の記録は、免責許可決定が確認された報告日から5年間残ります。その間の選択肢は、現金での購入や、独自の基準で審査する自社ローンなどです。自社ローンにも審査があり、通過は保証されません。
Q2. 自社ローンは本当に信用情報を見ないのですか?
店によって違います。他社の支払状況を「閲覧することはありません」と明言している店もあれば、同意条項で信用情報機関への情報提供に触れている店もあります。法律上は、割賦販売業者も信用情報を利用するなどして、支払能力を超える販売をしないよう努めることになっています。
Q3. 記録が消えたかどうかはどうやって分かりますか?
信用情報機関に開示を請求すれば分かります。CICはインターネットでの開示に対応していて、手数料は500円です。JICCやKSCにも、それぞれの開示の窓口があります。
Q4. 何社も申し込めば、どこかに通りますか?
おすすめしません。CICでは、会員会社が照会した記録(利用記録)が6か月間残ります。短い期間にいくつも申し込むと、その記録が審査で不利に働く可能性があります。まず信用情報を確認し、自分に合った方法に絞って申し込みましょう。
Q5. 保証人を付ければ通りやすくなりますか?
保証人を求める会社やプランはあります(オリコで乗ーる、自社ローンの一部の店など)。ただし、保証人も審査を受け、あなたが払えなくなったときには支払いの義務を負います。保証人をお願いする相手には、その責任をきちんと説明しましょう。
まとめ|まず信用情報を確認し、条件を比べてから選ぶ
- 「ブラック」は信用情報に事故の記録がある状態。CICでは契約終了から5年で消える。
- 審査がないのは現金購入だけ。自社ローンやカーリースにも審査があり、通過は保証されない。
- 自社ローンは、手数料・保証人・頭金・所有権の条件を書面で確認する。
- 急がないなら、記録が消えるのを待って通常のローンを検討するのも一つの方法。
※2026年9月28日時点の情報にもとづきます。出典:CIC(よくあるご質問・情報開示)、げんき自動車公式サイト、リースナブル公式コラム、ニコノリ公式コラム、e-Gov法令検索(割賦販売法)、国民生活センター。審査の結果を保証するものではありません。契約前に最新の条件を確認してください。


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