「新規登録」は、まだナンバーが付いていない車を公道で走れる状態にする手続きです。新車はもちろん、一時抹消登録した車を再び使う場合(中古新規登録)や、個人輸入した車もこの手続きが必要になります。ディーラーで新車を買えば販売店が代行してくれますが、抹消済みの車を自分で復活させる場合や、個人間で抹消車を譲り受けた場合は、自分で運輸支局に行くことになります。
この記事では、新車新規登録・中古新規登録それぞれの必要書類、新規検査(持ち込み)の要否、仮ナンバー(臨時運行許可)の取り方、2026年4月に改定された手数料を、国土交通省の自動車検査登録ポータルと自治体の公式情報にもとづいて整理しました。当サイトを運営する株式会社Autodesign Cougar(神奈川県厚木市)はトラックの架装修理・整備から始まった会社で、車両の登録実務にも日常的に関わっています。書類で差し戻されやすいポイントも解説します。

結論|新規登録の全体像
| 新車新規登録 | 中古新規登録(一時抹消からの再登録) | |
|---|---|---|
| 対象 | メーカーから届いた未登録の新車 | 一時抹消登録済みの車、ナンバーのない中古車 |
| 新規検査(車の持ち込み) | 型式指定車で完成検査終了証(発行9ヶ月以内)があれば省略可 | 原則必要(有効な予備検査証や保安基準適合証があれば省略可) |
| 車の身分証明 | 完成検査終了証 | 登録識別情報等通知書(再交付不可) |
| 登録手数料(2026年4月〜) | 窓口1,300円 / OSS 700円 | 窓口1,300円 / OSS 750円 |
| 新規検査手数料(持込・窓口) | —(省略時) | 普通車2,900円、小型・軽2,800円 |
| 車検の有効期間 | 自家用乗用車は3年 | 2年 |
| 公道を走って持ち込むには | — | 仮ナンバー(臨時運行許可)が必要 |
新車は販売店が一式そろえるので、実際に自分で手続きする場面の大半は中古新規登録です。以下、中古新規を中心に、新車の場合との違いを補足しながら説明します。
新規登録が必要になるケース
- メーカーから届いた新車を登録する(販売店が代行するのが通常)
- 長期間乗らないので一時抹消登録していた車を、また使いたい
- 一時抹消済みの車を個人間で譲り受けた・オークションで落札した
- 並行輸入車など、日本で一度も登録されていない車を登録する(通関証明書が必要)
なお、ナンバーが付いたまま所有者が変わる場合は「新規登録」ではなく「移転登録(名義変更)」です。手続きが違うので、車の名義変更の必要書類と流れを参照してください。また、永久抹消登録(解体済み)の車は再登録できません。
中古新規登録の必要書類【国土交通省の案内どおり】
国土交通省の自動車検査登録ポータルに掲載されている、中古車の新規登録に必要な書類です。
- 新規登録申請書(OCR申請書 第1号様式)。所有者本人が申請する場合は実印を押印
- 手数料納付書(検査登録印紙を貼付、またはキャッシュレス納付の旨を記載)
- 自動車重量税納付書(重量税印紙を貼付、またはキャッシュレス)
- 登録識別情報等通知書——一時抹消登録のときに交付された書類。原則として再交付されないので、紛失していると手続きが大きく複雑になる
- 譲渡証明書——抹消時の所有者と今回の所有者が違う場合。譲渡人の実印を押印
- 所有者の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
- 委任状——代理人が申請する場合(所有者の実印)。申請書に使用者の記名がない場合は使用者の委任状も
- 自動車保管場所証明書(車庫証明)——適用地域の場合。使用者名義で、証明日から概ね1ヶ月以内のもの
- 保安基準適合を示す書類——合格印のある自動車検査票(持ち込み検査に合格した証明)、有効な自動車予備検査証、または指定整備工場の保安基準適合証のいずれか
- 使用者の住所を証する書類(住民票など。使用の本拠が適用地域外で使用者住所と異なる場合は、その本拠を示す書類も)
- 自賠責保険証明書(提示。新しい車検の有効期間を満たすもの)
- 希望ナンバーを取る場合は希望番号予約済証、事業用なら事業用自動車等連絡書
現場で差し戻しが多いのは、「登録識別情報等通知書の所有者」と「譲渡証明書の譲渡人」の氏名・住所が一致していないケースです。抹消後に譲渡人が引っ越していると、住民票や戸籍の附票でつながりを証明する書類が追加で必要になります。もう一つは車庫証明の期限切れで、持ち込み検査で不合格が続いて日数が経つと、車庫証明の有効期間(概ね1ヶ月)を過ぎてしまうことがあります。検査の目処が立ってから車庫証明を取るのが安全です。
新車新規登録の場合の違い
新車では、登録識別情報等通知書と保安基準適合書類の代わりに完成検査終了証(発行から9ヶ月以内)を提出します。型式指定自動車で完成検査終了証があれば、新規検査での車の提示(持ち込み)は省略できます。加えて、再資源化等預託金(リサイクル料金)の預託証明が必要です。それ以外の書類(申請書・納付書・印鑑証明・車庫証明・自賠責など)は中古新規と共通です。
新規検査|中古車は原則、車を持ち込む
登録を受けていない車を使うには、新規登録と同時に新規検査を受ける必要があります。中古新規では原則として運輸支局(または自動車検査登録事務所)の検査場に車を持ち込み、継続検査と同様の検査コース(外観・サイドスリップ・ブレーキ・スピードメーター・ヘッドライト・排ガス・下回り)を通します。国土交通省ポータルによる新規検査の必要書類は、OCR申請書第1号様式、自動車検査票、点検整備記録簿(中古車)、登録識別情報等通知書(中古車)、完成検査終了証(型式指定車)、通関証明書(輸入車)、手数料納付書です。
検査手数料は2026年4月1日の改定で、持込検査(窓口申請)の新規検査が普通自動車2,900円、小型自動車・軽自動車2,800円(国または軽自動車検査協会の手数料+自動車技術総合機構の審査手数料の合計)です。検査コースの流れや不合格時のルール(当日2回まで再審査無料など)は継続検査と同じなので、ユーザー車検の当日の流れを参考にしてください。
長く放置していた車は、バッテリー上がり・タイヤのひび割れ・ブレーキの固着・灯火類の球切れで不合格になりやすいので、持ち込む前に整備工場で一通り点検してもらうことをおすすめします。整備工場が指定整備工場なら「保安基準適合証」を発行してもらえ、持ち込み検査自体を省略できます。
仮ナンバー(臨時運行許可)の取り方
ナンバーのない車を検査場まで公道で走らせるには、市区町村で臨時運行許可(仮ナンバー)を受ける必要があります。神奈川県厚木市の公式案内を例にすると、条件は次のとおりです。
- 手数料: 750円(自治体により異なる)
- 有効期間: 申請日を含めて最大5日以内で、必要最小限の期間
- 必要書類: 車台番号を確認できる書類(登録識別情報等通知書・抹消登録証明書など)、有効期間内の自賠責保険証明書、申請者の本人確認書類
- 許可される目的: 新規登録・新規検査・継続検査・予備検査のための回送など。運行経路(市区町村名)を申請し、その自治体が経路に含まれている必要がある
- 返納: 許可期間満了後5日以内にナンバープレートと許可証を返す
ポイントは、仮ナンバーを取る前に自賠責保険に加入しておくことです(自賠責がないと許可されません)。新規登録用に25ヶ月などで加入した自賠責をそのまま使えます。また、仮ナンバーは「検査場への往復」など目的と経路が限定されているので、ついでに用事を済ませるような使い方はできません。
手続きの流れ【中古新規登録の場合】
- 書類をそろえる: 登録識別情報等通知書・譲渡証明書・印鑑証明書を確認。譲渡人の住所が変わっていればつながり書類も
- 自賠責保険に加入(25ヶ月が一般的)
- 点検・整備: 24ヶ月点検を行い点検整備記録簿を作成。放置車は整備工場で事前チェック
- 車庫証明を申請(適用地域の場合。交付まで約1週間。車庫証明の取り方)
- 検査の予約: 自動車検査インターネット予約システムで新規検査を予約(受検日の2週間前から)
- 仮ナンバーを取得: 市区町村役場で臨時運行許可(検査日に合わせて)
- 運輸支局で新規検査→新規登録: 検査に合格したら登録窓口で申請。重量税・登録手数料を納付し、ナンバープレートを購入して封印を受ける
- 税申告: 併設の税事務所で自動車税(種別割)と環境性能割の申告(中古車も取得価額により環境性能割の対象。環境性能割の解説)
- 仮ナンバーを返納(期間満了後5日以内)
費用の目安【2026年4月改定後】
| 項目 | 金額(普通車の例) | 備考 |
|---|---|---|
| 登録手数料(中古新規・窓口) | 1,300円 | OSSなら750円。新車新規は窓口1,300円/OSS 700円 |
| 新規検査手数料(持込・窓口) | 2,900円 | 小型・軽は2,800円。完成検査終了証・予備検査証があれば不要 |
| 自動車重量税(2年分) | 車両重量0.5tごとに年4,100円×2(1.5t車で24,600円) | 13年超・18年超は増額、エコカーは本則税率。新車は3年分 |
| 自賠責保険料(25ヶ月) | 18,160円(2026年10月まで) | 2026年11月1日以降の契約は19,070円 |
| ナンバープレート代 | 都道府県・種類で異なる | 希望番号・図柄入りは別料金 |
| 車庫証明 | 神奈川県は2,100円 | 都道府県で異なる |
| 仮ナンバー | 750円(厚木市の例) | 自治体で異なる |
| 環境性能割 | 取得価額×税率(0〜3%) | 取得価額50万円以下は非課税 |
法定費用だけなら普通車で5万円前後+ナンバー代ですが、放置車は整備費がこれに乗ります。重量税の税額は自動車重量税の解説記事を参照してください。
よくある質問
Q1. 登録識別情報等通知書をなくしました。再登録できますか?
原則として再交付はされません。運輸支局に相談すると、理由書や登録事項等証明書などを用いた代替手続きを案内される場合があります。手間と時間がかかるので、一時抹消したら通知書は車検証と同じ扱いで保管してください。
Q2. 新規検査は運輸支局ならどこでも受けられますか?
新規登録は使用の本拠の位置を管轄する運輸支局・自動車検査登録事務所で行い、新規検査もそこで同時に受けるのが基本です。継続検査のように全国どこでも、という扱いではないので、管轄を確認してください。
Q3. 仮ナンバーで検査に落ちた場合、有効期間内に再挑戦できますか?
仮ナンバーの期間内(最大5日)であれば、整備して再度持ち込めます。期間を過ぎる場合は改めて臨時運行許可を申請します。検査場側では当日2回までの再審査が無料、当日中に直せなければ限定自動車検査証(15日間有効)が出ます。
Q4. 軽自動車の場合も同じですか?
軽自動車は軽自動車検査協会で「新規検査」を受け、届出の手続きになります。一時使用中止(抹消)時に交付された「自動車検査証返納証明書」が必要で、実印・印鑑証明は不要です。新規検査手数料は2,800円(持込・窓口)です。
Q5. 新規登録と同時に希望ナンバーは取れますか?
取れます。事前に希望番号申込サービスで予約し、交付された「希望番号予約済証」を新規登録の書類に添えます。予約から交付まで日数がかかるので、登録日から逆算して申し込んでください。
まとめ|中古新規は「通知書・検査・仮ナンバー」の3点が肝
- 新規登録はナンバーのない車を登録する手続き。新車は完成検査終了証、中古新規は登録識別情報等通知書が車の身分証明になる
- 中古新規は原則として車を持ち込む新規検査が必要。指定整備工場の保安基準適合証があれば省略できる
- 仮ナンバーは市区町村で申請(厚木市の例: 750円・最大5日・自賠責必須・5日以内に返納)
- 登録手数料は2026年4月改定で窓口1,300円、新規検査手数料は普通車2,900円
- 書類は「通知書と譲渡証明書の名義一致」「車庫証明の期限」で差し戻されやすい
本記事の必要書類・手数料は2026年9月時点の国土交通省 自動車検査登録ポータル、国土交通省の手数料改定資料、厚木市の臨時運行許可の案内にもとづいています。自治体や運輸支局により運用が異なる場合があるため、申請前に管轄窓口の最新案内をご確認ください。

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